NPO法人 新潟土壌情報センター(NSIセンター)は、新潟県における土壌汚染による環境問題を解決します。

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新潟土壌情報センター(NSIセンター)土壌汚染Q&A

※ ここで解決しない疑問等がございましたら、お気軽にご相談ください。土壌汚染よろず相談窓口へ


Q−17 土壌汚染の対策はどのようなものがありますか。
 土壌汚染の対策法は対象物質が重金属等か揮発性有機化合物かによって異なりますが、一般的には以下の3つに区分できます。

(1) 原位置封じ込め
(2) 遮水工封じ込め
(3) 土壌汚染の除去


 このうち恒久的対策として最も望ましいのは(3)ですが、これにも種々の方法が用いられます。
 揮発性有機化合物の場合についてみると、さらに以下のように区分できます。

<1> 地下からの原位置抽出技術
<2> 処理技術
<3> 原位置分解技術

<1> 地下からの原位置抽出技術例
イ) 土壌ガス吸引法
 地下の浅層部に位置する不飽和帯では、土粒子間を地下空気が満たしています。
 対象物質が揮発しこの地価空気に混合しているため、井戸を作成し負圧をかけて吸引除去する工法です。
 揮発性有機化合物を対象とした場合は、条件が許せば効果は極めて高いのが特徴です。
 負圧装置としては、地盤の透気性からブロアまたは真空ポンプが用いられます。

ロ) 地下水揚水法
 いわゆる揚水井戸を設置し、地下水を汲み上げる方法です。
 井戸は通常の地下水利用を目的としたものとほぼ同様ですが、流入区間を対象とする層に限り、その上下を密封した構造とすることが特徴です。
 地下水汚染を対象とした場合には最も多用され応用範囲も広いのですが、揮発性有機化合物は通常溶解性が低いため、浄化に時間がかかるという問題があります。

ハ) マルチフェーズ吸引法
 土壌ガス吸引法に類似していますが、それよりも強力な負圧をかけ、地下水や汚染物質を吸引する方法です。
 吸引力が大きくできるため、通気性の低い地盤での効率が増します。
 液体の処理能力は二重吸引法、揚水法に比べて小さいものとなります。

<2> 処理技術例
イ) 活性炭吸着法
 土壌ガス吸引法や揚水爆気法と組合せ、排出ガス内の対象物質を吸着させる方法です。
 飽和に達した後、処理施設にて廃棄または再生処理を行ないます。
 揮発性有機化合物については、ほんとどの対策工法と併用できるため、極めて広範囲で利用されています。

ロ) 低温加熱法
 揮発性有機化合物は沸点が低いため、土壌を加熱することで熱脱着により浄化できます。
 過熱温度は200℃程度であり、重金属類の熱処理方法に比べ低い温度で処理できるため、低温過熱法と呼ばれています。
 プラントは比較的簡便であり、汚染現場に設置して現地処理することも可能です。
 その場合は、過熱による排ガスは活性炭で吸着し、土壌は冷却・加湿したのち現地に埋め戻せば処理が完了します。
 汚染土を一度掘削する必要があるため、対象地がそれをできる環境にあることが前提となりますが、処理速度は速く効果的です。

ハ) 揚水ばっ気法
 揚水した地下水をばっ気塔を通して水と汚染物質を分離する方法です。
 揮発性有機化合物の汚染に対しては、以前より使用されており最も実績が多いものです。
 装置の中にある程度高さを持ったばっ気塔を必要とするため、若干装置の大きさが増す傾向があります。

ニ) 回転噴霧式法
  回転する羽に地下水を噴射し攪拌するものです。
 高いばっ気塔を必要としないため、装置をある程度コンパクト化できるのが特徴です。

<3> 原位置分解技術例
イ) バイオレメディエーション

 バイオレメディエーションは、微生物を利用して土壌及び地下水の浄化を行なう技術で、大きく以下の二つに分けられます。
1.  バイオスティムレーション
2. バイオオーグメンティエーション

ロ) 反応性バリヤ壁
 鉄粉等の反応材を混入した杭を連続的に打設することによって地中に連続壁を形成し、底を通過する汚染物質を浄化するものです。
 鉄粉の還元力を利用し、揮発性有機化合物は還元的に分解されます。
 汚染物質を敷地外に出さないという点で,バリヤとしての活用となるます。反応性壁の活性低下や目詰まりについて考慮する必要があります。
 この場合、基本的には自然の地下水流動によって汚染地下水が通過するため、下部に難透水層があるなど帯水層がある程度閉鎖されていることが必要です。
 より積極的に浄化に利用するためには,揚水を併用する必要があります。


 実際の対策工法は、多種多様で現場状況にあったものを選出する必要があります。
 ここでは揮発性有機化合物の汚染について、土壌ガス吸引法の例を示しました。

<1> 土壌ガス吸引法
イ) 構 成
 土壌ガス吸引法は、ボーリングによって設置された抽出井から真空ポンプ・ブロワーによって不飽和帯にある気化した汚染物質を回収します。
 この例では、吸引装置として0.6立法メートルのブロワーを使用し活性炭で吸着する方式をとり、地下水位がある程度高いことを想定し、気液分離装置を組み込んでいます。
土壌ガス吸引システム構成例
土壌ガス吸引システム構成例

ロ)  適用条件
1. 地下水位が低く、地盤中に十分な厚さの不飽和帯が存在する必要がある。
2. 対象土壌が砂・礫層中心で透気性が高い場合に効果的である。
3. シルトを含む場合は、真空ポンプ等により高い負圧をかける必要があり、影響範囲も狭まるため処理に時間がかかる。

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